活動報告:7/17 市民ライブラリアン講座 @三重県亀山市・よりよい図書館をめざす会

 東海ナレッジネットの山本茜です。2023年に開館する亀山市の新図書館建設にあたって、よりよい図書館を目指す会では、図書館を市民の参加と協働で魅力あるものにしていくための「市民ライブラリアン講座」を開催しています。第6回目の「図書館に関わる市民の取り組み」の講師としてお招きいただきましたので報告します。いただいた2時間は、対話型の場所にしたいと思いました。事前に主催者の方にお話を伺い、問題意識や要望をお聞きしました。
参加者一人一人がもっている力、知恵が共有される場、そこから何かが生まれる場となるようプログラムデザインをしました。
 
1.前半:図書館と市民がどう関わるかについて
私の子ども時代から、東海ナレッジネットの設立に至るまで、図書館とどう関わってきたかについてのお話。小学校の頃に図書館司書になりたいと思ったとき、図書館を居場所のようにしていた中高生時代、図書館司書になりたいと学んでいた大学時代、図書館からNPOの世界へと視野を向け、働きながら、図書館と地域をつなぐ活動をしてきたことをお話しました。
個人、著者や司書さんと出会う場、様々な人が出会う場、図書館はそういう場として、私のライフヒストリーの中で存在してきたというお話。
 「図書館」でつながろうとせず、図書館にある機能や目的、例えば、「知る」「学ぶ」「地域課題」「地域の歴史や物語」でつながり、学び合う場をつくっていくことが図書館を活用する市民を育てること。その担い手として、地域を自由に動き回る「フリーライブラリアン」の存在についてもお伝えしました。
 

2.後半は、参加者のみなさんがそれぞれ気になること、好きなこと、やりたいことをシェア
図書館に全然関係ない方がいいので、「わたし」が今、気になること、やりたいこと、好きなことを書く時間を取りました。そして、それをお互いに見せ合ってグループをつくりました。
その後、グループで話し合うテーマを決めてもらいました。
それぞれのチームのテーマは・・
「亀山の野草マップをつくりたい」
「お金をつかわず、楽しく生きていきたい」
 
一つは、図書館が生み出す場につながるもの、一つは、今の社会の中で思うこと、根源的な問いで、2つともとってもいいテーマ!!話し合いの中で、どんなところに図書館は関わるかについても話し合って、模造紙に書いていきました。
 
グループごとの発表を眺めながら参加者同士お話。
お金をつかわず、楽しく生きていきたい
電車を使って名古屋まで行ったり、車で京都まで行かなくたって、地域にある豊かな自然の中で愉しく暮らすライフスタイルもある。地域資源を大事にしながら、生きていけないか。
自分のやりたいことで仕事をおこすようなこともできないか。こうした対話や、学ぶところに図書館が関われると面白いなぁ・・
 
子どもたちが学べるアプリをつくれないかなぁ・・
そのためのツール・・野草マップをつくりたい・・
地域にある野草を調べるのは図書館を活用できる、図書館で展示してもいいね・・
地域資源を大事にする、それが交流や産業につながるようなことになるといいな・・
 
すでに世の中にある、オープンデータのツール「オープンストリートマップ」を使えばできそうであることや、シビックテック」といって地域資源を活かしたり、地域課題への取り組みにつながるツールを市民参加型で開発する取り組みがあることを伝えました。
「へーーーそんなのがあるんだ!!」と、オープンストリートマップネタで盛り上がる・・
「そういえば、今度、そういうイベントをやるよ・・」って、お話する参加者もいました。オープンデータに関する取り組みも身近なものとして聞いてもらえたと思いました。
 

こうやって交わされる言葉、関係、意味があり、そして、それぞれの人の中で今後も活動や仕事が生まれていく。この場、そのものが図書館的、知の公共であり、これを図書館に表現していくことが、図書館が地域の人々の中に存在していくことにつながることをお伝えしました。「一緒にやろう、話そう」で広がっていくといいですね!
 
参加者の感想
◆集まってそれぞれのやってみたいことを共有して、協働で、一つのものにつくりあげていくことは楽しく、面白かったです。そこに図書館が関わってくることもつかむことができました。
◆さまざまな人の意見を聞くこと、新しい情報を得ること人との関わりで、これからの自分ができることの幅が広がる感覚があった。この「知る」ことの楽しさをいろんな人にも知ってもらいたい。
◆図書館の人と仲良くなるヒントをいただいた
◆いろんな人と話し、自分らしく(ガラパゴス)でいこうと思った。
◆講義を聞くだけでなく、たくさん話ができて、聞けて、楽しかった。
 図書館の氷山の見えない部分の役割を大切にしたいと思った。
◆今までの図書館のイメージの打破
 やっぱりICTは使えるようにならんといかん!!使えなくてもまず知ることから。
◆さまざまな人の意見を聞くことで新しいアイディアが生まれることを実感
 野草マップはぜひやってみたい!!