2022年度の総会・交流会を開催しました。2021年度の会計報告・活動報告と2022年度の予算計画・活動計画が承認されました。総会と交流会の内容を報告します!(文責:山本茜)
今年度は、設立から代表を務めていただいた豊田高広さんから山本茜にバトンタッチします。運営の核に関わるコアメンバー5人と運営していく体制で進めていきます。
団体設立から3年目となりました。
東海ナレッジネットを始めた時に、「図書館」の機能を社会の中に拡張していくような場になるといいなと思っていたことを思い出しました。
ハコとしての図書館が、社会・人々にとってどんな存在なのか、どんなことが起きているか。
図書館は、知恵・物語を蓄積し、それらに出会う人々の生活・物語にも作用していきます。
蓄積される知は地域固有のものであり、出会う人の中の物語、地域の物語がまたつくられていきます。「知」の生態系があります。
そう考えたら「図書館」的な場はあちこちにあるし、知を媒介していくライブラリアンもあちこちにいます。参画する人それぞれの世界・地域で、「図書館」的な場が生まれるプラットフォームになると面白いな!と思っていました。
参加者との対話を聞いていて、参加者がライブラリアン的であり、図書館的な場が生まれてきたと思いました。
集った人がモゾモゾと動き出す、何かが生まれていく・・
そのための土壌が耕され、種から芽が出て、育ってきたような感覚です。
私は、耕す人になっていきたいと思いました!
どうぞよろしくお願いします。
今年度は下記のような目的・方針で運営します。
1.2022年度の活動目的・方針
1)個々のやりたいプロジェクトの実施を応援する場である
2)地域の「知」の収集・保存・活用の促進をする。
3)ファシリテーションの手法を運営に活かす。プロセスと対話の場をつくる
2.具体的にどんなことやるの??参画する方同士、お話しする交流会を後半で行いました。
1)フリーライブラリアン探求活動
昨年度議論したことを継続し、今年度は世の中にいるフリーライブラリアン(以下FLと記述)の発掘や養成課程を実際に考えていくことをしていきたいと思います。
2021年度に議論したことはこちらをご覧ください。
◆意見交換の内容
・職業ライブラリアンじゃない人がFLの養成講座を受けるなら、図書館でアルバイトしてレファレンスやってもらいたい!図書館の外の人、例えばお魚屋さんがお客さんの話を聴くのはレファレンスである。それを発見してもらいたい。
・図書館の外にあるライブラリアン的な役割を発掘するプロセスを養成課程を考えるプロセスにいれるとよいのではないか。
・図書館の人の価値観・考え方・ものの見方・使う言葉がだんだんわかってきた・・
これってFLになりつつあるということなのかも?
2)地域の「知」のアーカイブ応援 延藤文庫
名古屋市中区錦の繊維街には、江戸時代の町割で「会所」という空間があり、交流・守り・祈りの空間となっていました。ここに、現代版の「会所」としてのスペース、喫茶七番と、地域の人が集る場としてスペース七番が2022年6月にオープンしました。オープンしたのは、このあたり一体のまち育てを進める錦二丁目エリアマネジメント株式会社です。
スペース七番には、まち育ての実践者、故延藤安弘先生が遺された蔵書の絵本を展示しています。展示されているのはほんの一部で、5万冊のうち5000冊の絵本にブッカー(カバーフィルム)を貼り終えたものを展示しています。貼り方について、錦二丁目エリアマネジメント株式会社の代表の名畑恵さんにご相談いただきました。相談に応えていただけそうな、図書館司書の方にお声かけして、延藤文庫サポーターチームをつくりました。フィルムを貼る作業に加え、5万冊の蔵書の整理、目録データの作成、展示企画などを考えるにあたり、FL・多様な市民の力、アイディアを出し合いながら、延藤先生の本を今に生きる人々、社会に還元していく取り組みをお手伝いします。
「書誌データをエクセルに入れていくといいかも?」
「え?書誌データって??」
「書誌データってこういうのですよ〜」という具合に、図書館司書さんと図書館で働いてない色々な立場の人がお話しました。
◆意見交換の内容
・膨大な蔵書を整理するのは何のためか、目的や想いを最初に共有して、そのための手段を考えていくというプロセスで進めた方がいいね・・
・本にフィルムを貼る、整理する作業、過程も出会い、楽しみ、学びがあるものとして実施していけるといいな。
・喫茶七番の前のスペースで本をテーマにしたイベント、広場に座って本を読めるような空間をつくりたい
・延藤先生独自の分類がある。延藤先生の頭の中を表現していることでもある。
松岡正剛の松松本舗みたいで面白い!
3)地域の「知」のアーカイブ応援 図書館ボランティア団体 りぶらぼ
りぶらぼでは、一宮の図書館でのイベントの企画・運営のサポートや、独自でも本に関するイベントを開催しています。その一つとして、図書館で行う、子ども司書講座の運営・サポートをしています。子ども司書講座を受講した中高生たちのボランティア団体を新たに立ち上げ、子どもたちの声を聞き、企画にしていく働きかけを模索している中で協働連携していきます。
◆意見交換の内容
・ユースワークの実践例として、子どもの参画・子ども支援関係者と意見交換したらいいな・・
・子どもたちに伴走するユースワーカー大募集。司書課程を受けている学生たちにとってもいい機会になるのではないか。
・子どもたち自身が発表するような機会に出てみるといいと思った。
発表することで、子どもたち自ら考える機会になると思う。
3)ぷらんと!のネタ
テーマを決めた対話の場、具体的なアイディアにはなってないが、相談したいことを話す「壁打ち」的な対話の場です。
提案されたぷらんと!のテーマはこちらです。
▶︎民藝をテーマにお話ししたい!
民藝とは、20世紀初頭に柳宗悦によって提唱された美の概念です。地域固有、民衆の日常の暮らしにある美に眼差しを向けていく「民藝運動」が展開されました。
柳宗悦の概念の中でも「暮らしの中の美」というテーマが素敵。「用の美」という生活に根ざした美・手仕事による大量生産にはない、有機的な親しみやすさに注目している。
これは、現代の生活にも応用できると思うので、その点を紹介し、対話したい。
◆意見交換の内容
・民藝運動そのものがフリーライブラリアンの動きと通じるものがあると思う。
・「民藝」については研究者もいるが、よくわからないという人と対話したい。
研究者ではなく、生活者に目を向ける眼差しは柳さんの狙いだったのではないか。
4)子どもの権利ブックリストフェア・展示
昨年度、下記の内容で、子どもの権利についてのぷらんと!を開催しました。
8月29日の「子どもの権利ファインダー」子どもの権利ってなぁに?気楽にお話する場
1月23日の「子どもの権利ブックリスト」出版社が共同で参画・作成する子どもの権利ブックリストの紹介。
今年度は継続企画で、子どもの権利ブックリストのフェアや展示を愛知県内の書店・図書館・子ども支援関係者と一緒に企画できないかな・・まだまとまっていないので、ぷらんと!で壁打ちしたい・・
子どもの権利ブックリストは子どもの権利についての本を出す出版社の有志で作成、全国の書店でフェアを展開しています。