【活動報告】 NPOの活動のアーカイブ、何から始める?

10月15日(金)19:30ー21:00 参加者6人
ぷらんと!のお題は、NPOアーカイブ活動、何から始める??
東海ナレッジネットの事務局の山本(私)は、NPO法人ささしまサポートセンターの事務局でお仕事を始めてから3年と少しが経過しました。それより前は、教育、福祉、子育て支援、多文化共生の分野で、事務局、支援員、コーディネーターなどをしてきました。NPOの活動、取り組んできた領域の記録や保存にも関心を寄せていきたいと思ってきました。

 

NPOの事務所は資料・情報の山とアーカイブ

どのNPOも同じような状況があると思います。
事務所は山積みの資料。資料の上にさらに資料が積み上がる。
担当者は、年度末にはさまざまなな事業の報告書を予算でつくる。
しかし、つくったことを担当者も忘れてしまう。事務所に積まれていく・・。
活動を継続しただけ、事務所の中にも、社会の中にもたくさんの情報はある。
スタッフやボランティアさんがどこに何があるわからない、それを取り出すことができなかったら「ない」ことと同じなのではないかと思います。
 
ささしまサポートセンター法人設立10周年を迎えるにあたりそれらの資料をまずは集めて、整理するところから始めよう!これを目標に、アーカイブに取り組んでいくことになりました。でもどこから始める?!そして、他の仕事もやりながら、片手間でやらないといけないのよね・・。
そんなモヤモヤとした状況を聞いてもらい、何から始めるか見えるといいな!と思って、お話を聞いてもらいました。
 
立派なデジタルアーカイブをつくることがアーカイブではない。
アーカイブといえば・・最近ではデジタルアーカイブのように、古い写真や資料をデータ化し、広く市民が見られる、活用できるための情報源、インターネットのサイト??そんなふうにも見えています。
そんな時に使われるのが「アーカイブ」という言葉。
自分が取り組む時、そうした形を目指すのも何か違うようなとも感じていました。(だいたいそうしたものの構築と運営の予算なんてないし・・)
立派なデジタルアーカイブをつくることがアーカイブの目的ではなく、自分たちの組織の成り立ちを知る、それらの成果を集める、まとめる、整理する。そこから学ぶ、面白いと思う、楽しいと感じる。そして何かが生まれる。それを目的にしたい。
その営み全体がアーカイブ。そんなことをやりたいなと思っていました。
そう思っていたら、参加者の一人から、長久手市文化の家のアーカイブの取り組みについて教えてもらいました。まさにやりたいと思っていたことでした。
長久手文化の家の情報誌 ハレとケ(2020年11月発行)
P7に長久手市市文化の家アーカイブ計画について掲載されています。
 
 
参加したみなさんや長久手文化の家の取り組みに教えていただいた意見
アーカイブ活動を団体内で始めるコツ
▶︎明らかに「ゴミ」とわかるものを捨てることから始めよう。
▶︎ゴミかゴミでないかの判断は難しい。「それは捨てちゃだめーーー!!」ってものもある。明らかなゴミ以外は、まずは分けること。
▶︎一度にやろうするから大変。コツコツ・みんなで手分けして。
▶︎何が「価値」なのかを共有する、考える。
 捨てる時の基準として聞かれる「ときめき(感覚)」で判断すると、
 必要なものも不要なものになる。ときめきは「わたし」の基準。
  いろんな「人」(未来の人)から見た価値があるかどうかという点で見ることが大事。
▶︎何のためにアーカイブをしているのかを大事にしていきたい。
 ここで役に立った、こういうことがあったんだ・・とだんだん知っていく。
自分の仕事に関連づく気づき、達成感があり、じわじわと根付いていく。
 そのためには継続が大事。
▶︎アーカイブ活動は「地味」楽しく、一人でやるとしんどい作業でもある。
 活動に+αの楽しさをつける。
 例えば、「ご飯作戦」整理整頓する日はおいしいランチが食べられる!
 組織内の普段お話ししない人と話すことができる!オマケが大切。
▶︎核になる「やりたい」という仲間を数人見つける。
 その時に、組織内の役割や立場で決めるのではなく、「やりたい」意欲がある人とチームになるとよい。
▶︎目録づくりはあとからでOK
 目録を活用する場面が見えてないのに、目録やリストを作らない方がよい。
 まずはあるものを見えるようにすること。
 あ・・「目録」とはなんぞや・・?って質問も出てきました。
 
アーカイブは何のためにあるのか?
「過去のものを大事にするべき」という正しさ、外的な動機で人を引っ張るのではなく、過去のものを整理して見えるようにすることで新しいものが作られるという取り組む人の実感を大切にする。
アーカイブはクリエイティブにもつながる作業である。
それぞれが自分の仕事とのつながりを感じていくことが大事。
 
目録作りとは・・・
参加したライブラリアンが、「目録作り」について説明してくれました。
目録とは、その資料に必要な情報が記されたもの。
本の目録なら、書名、タイトル、出版年とかですね・・。
参加者の中には「目録」って何のこと??と目録がイメージできない人もいました。
 
図書館の資料検索の画面で、「ほらほらこれが目録ですよ・・」って説明をしてもらいました。知らない専門用語も「それってなに??」って聞ける場であり、答える人がいるのが東海ナレッジネットならではのことだと思いました。
 
アーカイブ」のノウハウを活かせるところは市民活動にあるかも
アーカイブ」については、博物館や美術館などの文化施設は、ものを集めて、保存していく。図書館は資料を集めて保存していく。集めるものの形が違う。
そのような文化・社会教育施設が行うことであるってみなさん思っているかもしれません。
でも自分が関わる組織にも蓄積してきた歴史や情報があり、それらを誰かに、未来の人に残していく作業も「アーカイブ」です。自分にも関係があること。
 
市民活動のアーカイブ活動に、図書館や博物館や美術館の学芸員や司書さんはそのノウハウや考え方を教えてもらうことで貢献できるんじゃないかな?!と思いました。
 
まずは掃除とゴミを捨てることを楽しく続ける、半年後皆さんとお話ししたいと思いました!
こんな「相談したいな、やりたいな」という声をお待ちしております!