【活動報告】ブッカー貼り貼りDAY

日時:3月30日(日)10:00-12:00

参加者:4人

 

ブッカー貼り貼りDAYは、延藤文庫の絵本5000冊の中から、テーマ別で選書して喫茶七番2階に閲覧できるように設置された絵本にブッカーを貼る作業日です。今回は2回目の作業日の様子をお届けします。(文責 山本茜



前回の様子はこちら ↓ 

 

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今回も司書さん2名と、高校生も参加してくれました!高校生Rちゃんは初めてのブッカー貼りでしたが、丁寧に教えていただきながら技術を習得しました!途中、「キャー!ピンチ・・!!」ということが起きても、司書さんが、「大丈夫、こういう時はね・・」と言って、手を貸してくださるから安心です。

 

絵本には工夫を凝らした装丁のものがたくさんあります。特に、絵本の歴史も長い欧米の絵本は装丁も美しいものが多いです。カバーを外した本の表紙にも絵本の世界に関連する絵や言葉の印字があったり、カバーに丸い穴が空いていたり・・穴が空いてるとブッカーを貼るのも大変・・

今回のびっくり装丁は、「ちずの絵本」(サラ・ファネリ 作・絵 穂村弘 訳 フレーベル館) カバーを外すと「ワクワクする仕掛け」がありました。

どんな秘密があるのか?喫茶七番2階の本棚にある絵本なので手に取って見つけてもらえたら嬉しいです。

 

作業の合間、終わったあとに、高校生Rちゃんから学校の発表で「生命をテーマに発表をしたいんですけど、オススメの絵本ありますか??」と質問がありました。それならコレとか、アレとぽんぽんと絵本の名前が出てきてしまう司書さんたち。本を介して会話が生まれた印象的なシーンでした。本を手に取り、作業をして、作業していたら面白い絵本や本に出会って、本の話をして、つながっていけたらいいなと思います。ご参加・ご協力、ありがとうございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第2回 知の会所 -延藤文庫で何する?-

  日時:3月17日(日)14:00-17:00  参加者:9人

 延藤文庫につながる人々が集い、アイディアをもちより、やりたいことを話し合う場を開きました。参加したのは高校生、市民活動、地域福祉、建築、都市計画、デザイン、アートの周りで活動したり、お仕事をしている人たち。

 

延藤文庫について、どんな場所かを紹介したあと、「自分がやりたい!」と思ったことをA4の紙に書いて、紙に書いた人同士、引き寄せられるように集まって話し合いをしました。この場のデザイン、ファシリテーションをしてくださったのは、フリーランスファシリテーターの稲葉久之さん。エネルギーが引き出され、ワクワク感にドライブがかかっていきます。

  

やりたいことを紙に書いて発表。発表の時間から話し合いが始まってしまうワクワク。

時間を忘れて熱中して話し合い。とっても創造的な時間!

 

 

  最後にアイディア共有をしました。

 「まち全体を図書館ととらえて、錦2丁目の飲食店とコラボした本展示」

 「一箱古本市のようなことをやりたい」

 「江戸時代に七番があったエリアに存在した大惣という貸本屋を知るイベントをしたい」

 「七番にくれば本がある、本に出会えるを日常にしたい、ツキイチ本の日をつくりたい」

 「読書会をしたい」

 全然違うアイディアでも、共通する軸が見えてきます。

 コミュニティ、イベント等の「ソフト」に関することと、長期的な戦略やマネタイズなどの「ハード」に関すること。身近な知り合いから輪を広げ育てていく「ローカル」なことと、まち全体を図書館ととらえる、雇用や事業にしていく「グローバル」なこと。

 そして、「ハレ」と「ケ」 

 たのしく賑わい、色々な人を呼び込んでいくお祭りのような「ハレ」の場と、本と人の語らいが風景、文化、場の風土になっていく「ケ」。その中に文化があるのでしょう。「文化」という言葉は、手の届かない高尚なもの、伝統あるものというイメージの中で語られることもありますが、それだけではありません。赤ちゃんから大人までの日々にある喜怒哀楽や、関わり合いの中で生まれるもの、その営みそのものも文化です。

 七番に人が集い、本を読んで、本の話をして、なんだか元気になって、笑顔になって、ホッとして・・そんな風景を思い浮かべながら、コミュニティを育てる種まきをする仲間たちと共に生み出していく始まりの日になりました。

  

大人の話し合いの横では子どもたちはサッカー!原っぱのような知の会所



 

ひとファインダー ー稲葉久之さんがファシリテーターになるまでー

  フリーランスファシリテーターの稲葉久之さんは、いつもにこやかに場にいながら、場を観て、的確に論点もつかんで問いを出す人。プロジェクトマネジメントも鮮やかにこなす人。

 稲葉さんのHPです。

hisa-inaba.blog.jp

 数々の対話の場のファシリテーターとしての稲葉さんを知っていても、「稲葉さんが自分のお話しているのは聞いたことがない・・!」そう思っていた人も多いのではないでしょうか。

 最初のチェックインで、稲葉さんに聞きたいことは?と参加者に尋ねると、「睡眠時間は?」「好きな食べ物は・・??」そこーーー?!となりました(笑)

 しかし、普段、自分のことを語らない稲葉さんだからこそ、ミステリアスにも思えるので聞きたくなる気持ちもわかります・・。

 今日は、稲葉さんがファシリテーターになるまでの物語をお聞きしました。

 子どもの頃は、上にお兄ちゃん、下に妹がいるポジション取りが難しい真ん中の子。人前に出るのはそんなに得意じゃなかったのに、学級委員長になったことをきっかけに、中学、高校、大学まで、生徒会長を務めます。「自分が前に出ていくリーダーではなく、役割に応じていくことが楽しかった」ということで、サーバントリーダーシップ(現場の声に耳を傾け、共感、協働によるリーダーシップ)に通じるものが子どもの頃の姿にあったのかなーなんて思いました。

 「ファシリテーション」という言葉に出会った時は、日本語で書かれたファシリテーターの文献が全くない時代。英語の文献を読み漁って学びながら、国際協力の現場に憧れをもち、大学では、学ぶことが楽しくてしょうがなかったといいます。

 大学を休学して、ブラジルを放浪しようと計画。その前に、半年間お金を貯めるためにたまたまバイトで入った会社で、ちょっとバイトのつもりが、情報技術を会社の現場に使いやすいようにコーディネートするような社員並の重要な役割の仕事をします。働く現場の面白さに目覚め、それまで大学院進学しか考えてなかったのに、「働くのもいいかも・・」と思ったそう。それが、その後、ブラジルの放浪を経たあとの「働く」ことへのポジティブな印象に変わったといいます。

 初めて、青年海外協力隊で行ったセネガルでは、数々の失敗も経験。その地域ごとの見えない当たり前のルール、文化、考え方、コミュニケーションの方法は目に見えるものではなく、ファシリテーターとして関わって、うまく伝わらない場面に出会って、気づく。その度に、ありかた、関わりかたを変える・・その積み重ねでファシリテーターとしての稲葉さんとなってきたのでした。

 ファシリテーターとして場にいる稲葉さんは、無色透明、中立な存在。子どもの頃から一貫してきたのは、「人と関わること」が好きということ。静かな佇まいの中にある好奇心やエネルギーを垣間見ることができました。

 

 

   

【活動報告】延藤文庫 ブッカー貼り貼り&新年会

日時:1月8日(月)10:00ー14:00

参加者:7人

 

延藤文庫の絵本の蔵書、5000冊の中から、「生まれる」をテーマに選書する会を11月に行いました。

選書した絵本は、喫茶七番の2階スペース七番にて展示をしています。

皆さんが手に取っても傷まないよう、「ブッカー」を貼りました。

ブッカーとは、図書館の本に貼ってあるアレです!!

「わー、図書館みたい〜」「できるかな・・」と言いつつ、図書館関係者でレクチャーに来てくださった方に教えてもらいながら、みんなで貼りました。

 

 

恐る恐る、丁寧に・・

絵本の中を開けると美しい絵が描いてあるもの、その絵も見てもらえるように工夫して貼りました。「これ、どうやって貼る??」「うーん」と相談しながら。

 

この絵本・・うーん、どうしようね?相談しあいながら貼りました。

70冊の絵本のうち5分の1ほどは終わり、作業終了後には皆さんで持ち寄る&キッチンでつくったお料理で新年会。

 

すごいお料理・・!近隣のスーパーに買いに行ってちゃちゃっと作ったり、お家でつくってきたものをお皿に乗せたりしました。それぞれのアイディアレシピも披露していただきました。

切ったり、貼ったり、作って、つまみ食いして、話して・・楽しかったー。何かを一緒にやり、食べて、しゃべって繋がる場を通して、延藤文庫の絵本のメンテナンスや活用を進めていきたいと思いました。

 

 

【活動報告】 第1回 知の会所 〜延藤安弘の語りを聴く〜

 
日時:11月27日(月)18:30ー20:30 場所:スペース七番 参加者:8人 (文責:山本茜
東海ナレッジネットと延藤文庫の関わりや、延藤安弘さんについてはこちらの記録をご覧ください。
延藤安弘の語りも延藤コレクションの資料の一つ
 東海ナレッジネットで、延藤文庫のお手伝いを初めて1年半くらい経ちます。延藤安弘さんのことは、教え子である名畑さんや三矢さんからお聞きしたり、本棚を拝見するうちに、天国に住んでいる延藤先生と話しているかのような気持ちになることもあります。しかし、わたしは、実際に、お話している姿を拝見したことがありません。(ご存命のうちにお会いしておきたかったと悔やまれます・・。)延藤安弘さんの語りに、延藤コレクションの魂があるであろうと思いました。そこに触れる場が、1月15日の語り合いの会の次の一歩ではないかと考えました。「知の会所」と名付け、今後も続いていく対話の第1回。延藤安弘さんの語りを聞く会を企画しました。「街の会所」であるスペース七番に「知」会所が開かれていくことに心がわくわくします。延藤安弘さんがお話しされている様子を写した映像資料も膨大に残されており、これも延藤コレクションのうちの大事な資料です。延藤文庫の魂に触れる資料の根幹に据えられるものは何かと、考えるきっかけになるといいなという思いもあって、名畑さんに選んでいただきました。
 人々が混じり合い、育ち合う住まいを創る実践
 今回は、1980年代に住民参加でつくりあげたコーポラティブハウスについての幻燈会のフィルムを見ました。京都のコーポラティブハウス、ユーコートは、48世帯が暮らす集合住宅です。
 ユーコートは、多くの人がイメージするであろう無機質にコンクリートのハコが立ち並ぶ集合住宅ではありません。木々があり、池があり、池に棲む虫がいます。虫を食べる鳥が集まります。虫の声、鳥の鳴き声、子どもたちの声が聞こえてくる場所。人と人、人と自然環境が有機的な網目を形成するように、人と人が混じり合うような場が設計されています。人々の住まう志向に合わせて、空間は形を変え、年月と共に、有機的に変化していきます。この実践は、なんと、40年前に行なわれていて、未来を予見したような取り組みです。住まい、地域、公共空間のつくり手は学ぶべきところがあります。「こんな家に住んでみたい」そう思う人は多いのではないでしょうか。
 住人の中には、次のコーポラティブハウスを創出した人もいました。子どもたちは育ち、また、戻ってきて、新しい命を育てます。延藤さんの語りと共に、ユーコートの暮らしを写した写真が投影され、「自分たちの地域、街、周りの小さな社会から何かできるかもしれない」そんな小さな思いが心の中に生まれる語りでした。朗々と続く話芸、口談のようで、ずっと聞き入ってしまいそうな語りでした。
 人々がこのコーポラティブハウスをつくり始める話し合いの端緒に、延藤安弘さんは、「絵本」を据えました。幻燈会で紹介していたイギリスの絵本の中では、人々が垣根を超えて、新しい住まいをつくり始めます。延藤さんは、「物語」を分かち合うことが次の物語を生むことを願い、絵本を紹介していました。延藤さんは、物語を前にする人のを力を信じていたんだと思います。人間が生まれる、活動を生み出すことは、延藤先生の本棚にあったハンナ・アーレントが思い出されました。

 人、人の語りも延藤文庫の情報資源
 私は、延藤先生の語りに添える名畑さんと、三矢さんの語りもまた、大事な資料、情報源だと気づきました。延藤安弘アーカイブの所蔵資料は、5万5000冊の絵本、研究資料、映像資料と言ってきましたが、それに加えて、三矢さんと名畑さんも「人的情報資源」だと思いました。延藤文庫の「資料」になる「人」も他にもたくさんいらっしゃると思います。一人ずつ出会って、語らって、一緒に何かを生み出していくことが延藤さんが願っていた世界、場なのだと思います。
 ふと皆が沈黙する時間があり、うまく言葉にならない時間もあれば、投げかけなくても、話し出す人がいました。ある人は、自分が住んできた地域の情景を思い浮かべて語り、ある人は、大学生の頃に延藤さんの授業を聞いていたことを語りました。延藤さんが投げかけたことを、今に照らしてみると、同じように、「地域のつながりや関わり合いを共有できるだろうか??」という問いが浮かび、今の社会状況へと話は広がりました。気づけば、予定の30分を超過して終わりました!言葉にならない時間を味わうには時間が足りませんでした。
 終了後、三矢さんが、「幻燈会の存在自体が、物語的、ナラティブというか。延藤さんの話を反芻する度に新しい延藤さんが生成している。そんな不思議な機会でした。」SNSでコメントを寄せてくださいました。空間軸、時間軸、それぞれの人の物語が影響し合い、新しい物語が生まれる不思議な時間でした。もっと話したいという余韻を次の場をつくるエネルギーやヒントにし、小さなところに宿る物語を拾い集め、共創、共奏、共笑、協働しながら、延藤文庫を育てるお手伝いをしたいと思いました。
 そして、この語りの軌跡を描き起こし、グラフィックをしてくださったのは、友澤里子(グラフィックファシリテーター(社) グラフィックファシリテーション協会認定プロフェッショナル)さん。今日の物語を現す大事な資料として、人と分かち合いながら、次の物語を考えていきたいと思います。
                            (東海ナレッジネット 山本茜


 

 
【参考文献】
ユーコートについて知りたい方はこちらをご覧ください。
乾 享 / 多様な集住環境としての団地再編の空間イメージを探る コーポラティブハウス『ユーコート』の建築空間
/ 関西大学戦略的基盤団地再編リーフレットーRe DANCHI leaderー VOL.172 /2015.3

https://www.kansai-u.ac.jp/ordist/ksdp/danchi/172.pdf

 
 
 
 
 
 
 
 
 

【活動報告】8月19日ひかるかいじゅうになっちゃおう

イベント名:キリン福祉財団助成 ひかるかいじゅうになっちゃおう

日時:8月19日(土)17:00ー18:00 子ども:8人

  東海ナレッジネットでは、まち育ての実践者・研究者の延藤安弘さんが遺された蔵書5万5千冊の延藤文庫の資料・絵本のアーカイブや活用をお手伝いしています。延藤文庫について、東海ナレッジネットでの取り組みは、こちらの対話の会のレポートをご覧ください。

 

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 今年度は、キリン福祉財団の助成を受け、子どもたち、地域の人が、絵本を「つながりしろ」にして、親子、地域住民、子どもたちが集い、遊び、創造する機会をつくる取り組みを計画しています。8月19日に、延藤文庫の蔵書、5000冊の絵本から、絵本の世界観をモチーフにしたワークショップを実施しました。講師は、浅井雅弘さん。延藤先生がまち育てを実践された中区錦2丁目でも活動をしているアーティストです。

 浅井さんが考えてくださったのは、延藤文庫の所蔵の中から、モーリス・センダックの絵本、「かいじゅうたちのいるところ」のコンセプトを再現するというものでした。

 子どもたちがかいじゅうの国へ行き、かいじゅうに変身するワークショップです。かいじゅうの世界への入り口は、机の下の空間。子どもたちは、くぐってかいじゅうの世界へ行きます。大人は入れない世界です。これは、まさに、モーリス・センダックが大事にしていた世界観!

 

 

 プラスチックトレイや、紙コップ、お菓子の箱など、「大人がいらない」と捨てちゃうものや、暗い中で、ブラックライトを当てると光る素材を身体中に貼り付けて、かいじゅうに変身。子どもたちは、満足げな顔をして出てきました!

この日、会場となったスペースでは夏祭りも開催されていました。主催者は、絵本のように、かいじゅうたちが、かいじゅうおどりをしてくれることを期待していましたが、現実の世界に戻ったかいじゅうたちは、踊る間もなく、かき氷や輪投げゲームや唐揚げの元に吸い込まれ、いなくなってしまいました(笑)

 

こちらが講師の浅井さんです。

 

 

 

【活動報告】いろいろことばのお話し会

10月29日 「いろいろことばのお話し会」
中区錦二丁目を舞台に、地域・企業・団体が連携してSDGsに関する多彩なプログラムを展開する「錦2丁目SDGs WEEKs」に合わせて、子ども向けのお話し会を企画しました。
SDGsというテーマに因んで「ことば」に着目したプログラム。
話す言葉だけでなく、手を使うことばである手話や表情も言葉です。
手話で楽しめる絵本を選書しました。お話を読んでくださったのは、学校司書・保育士の立木真由子さんと、聴覚障害児支援に携わる本岡恵さんです。
1歳から6歳までの子ども、6人が集まりました。
 
 
 

 
 
 
 

 

 



読み手が、「たこはにょろにょろ身体を動かします」というと、子どもたちもにょろにょろ!と身体を動かして、キャッキャッと笑っています。大人も一緒に手や足を動かします。
 
絵本の中に出てくるものを指さして、立ち上がって、前に出てくる子どもたちはすっかり絵本の世界に入り込んでいました。